塗装の基礎知識

今後主流になる塗料「ラジカル制御塗料」とは?

 

 

人気のシリコン塗料と比べて、耐用年数が長く、コストパフォーマンスも良い。そんな夢の塗料があったらいいなと思いませんか?実は、あります!

「ラジカル塗料」という単語を聞いたことはないでしょうか?

正確には「ラジカル制御型塗料」といいますが、この塗料、すごいんです。

そこで今回は、今後、主流の塗料になること間違いなしの塗料、ラジカル制御型塗料について、お伝えいたします!

 

ラジカル制御型塗料とは?

 

 

「ラジカル」というのは、塗料を淡彩色に調色する際に使う「酸化チタン」が、紫外線に当たると生まれるエネルギーのことをいいます。このエネルギーは、厄介なことに、発生すると塗膜の劣化を促してしまいます。

ラジカル制御型塗料は、このエネルギーをできる限り発生しないようにした、「ラジカル制御型の酸化チタン」を使用した塗料です。さらに、発生してしまったラジカルの発散を抑える「光安定剤」も含まれています。

 

 

ラジカル制御型塗料のメリット

 

 

チョーキングが起こりにくい

 

ラジカル制御型塗料は、塗料にラジカル制御型の酸化チタンを使うことで、紫外線に当たっても、塗料を劣化させるエネルギーを最大限に抑制してくれます。そのため、普通の酸化チタンを使った塗料と比較して、塗料の劣化によるチョーキング現象が起こりづらくなります

 

 

塗膜に汚れがつきにくい

 

光沢がある塗料のため、汚れが付きにくいです。ツヤと色も長持ちするので、建物の美観を長く保つことができます

 

 

色々な下地との相性が良い

 

ラジカル制御型塗料は下地を選びません。なので、モルタルや窯業系サイディング、木部など、様々な下地に塗装が可能になります。

 

 

コストパフォーマンスが良い

 

よく検討されるシリコン塗料と比較すると、シリコン塗料の耐用年数が10〜13年に対し、ラジカル制御型塗料は14〜16年になります。価格はシリコン塗料と驚くほどの差がないにも関わらず、ここまで耐用年数が延びます。塗り替えのことを考えると、コストパフォーマンスが良い塗料ということが分かります。

 

 

ラジカル制御塗料のデメリット

 

 

実績がまだ少ない

 

一番最初に発売されたラジカル制御型塗料は2012年なので、実際に外壁塗装の施工で使われてから、耐用年数とされている年数に到達していません。そのため、確固たる実績がまだ少ないという点はデメリットに感じるかもしれません。

 

 

濃い色が使えない

 

 

ラジカル制御型の酸化チタンは、淡色の調色で使用する素材で、濃い色には使用しないため、濃い色で外壁塗装を行おうと考えてる場合、ラジカル制御型塗料は使えないことになります。

 

いかがでしたでしょうか?実績の少なさはネックに感じられますが、様々なメリットを考えると、今後の主流の塗料になっていくのではないでしょうか。