塗装の基礎知識

雨が塗装工事に及ぼす影響とは?

屋根や壁の塗装工事中に、いきなり雨が降ってきた場合、工事はどうなるのでしょうか?今回はそんな疑問にお答えすべく、雨が塗装工事に与える影響について詳しくご説明したいと思います。

塗装工事中の雨によるデメリット

塗料がきれいに仕上がらない

雨の中塗装作業を続けると、塗料に雨水が混ざってしまい、塗りムラができてしまいます。これは、塗料が乾く前に雨が当たることで、塗料が溶けたり塗料が薄まったりして斑点やシミのようになってしまうことや、塗料が乾燥していく途中で塗膜の表面が白化してしまうことが原因です。つまり、雨の日に塗装をすることで塗料の品質が低下してしまうのです。

 

塗料の耐久性が悪くなる

雨の日に作業をすると塗膜が十分に形成されず、塗装後わずか数ヶ月~数年で『塗料が剥げる・塗料にヒビが入る・チョーキング現象が起こる』というような不具合が出てくることがあります。これは、耐久性の良いアクリルシリコン樹脂塗料やフッ素塗料などで塗装した場合でも同じです。つまり、雨の日に塗装工事をすると塗料本来の性能を発揮できないということなのです。

 

湿気によって塗料が乾きにくい

湿度が高くなってしまう雨の日は、塗料が湿気を含んでしまうため、塗装工事には向いていません。通常、外壁塗装は『下塗り・中塗り・上塗り』の3回塗ることが基本ですが、例えば、下塗りの途中で雨が降ってきた場合、そのまま次の塗装を続けると、塗料に水分が含まれてしまうため、中塗りと上塗りの塗料が付着しづらくなってしまいます。

また、塗料が完全に乾く前に重ね塗りをすると、ひび割れやクレーター、すぐに塗料が剥げてくるというような不具合に繋がってしまいます。梅雨時期やゲリラ豪雨以外でも、雨が降ることは多々あります、原則として雨の日に塗装作業を続けることはできないということを覚えておくと良いでしょう。

このほかにも、雪や強風、外壁に結露や霜があるような場合は作業をすることができません。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、塗装工事における作業可能な環境というものが日本建築学会によって定められており、『気温5度以上・湿度85%未満』でなければ塗装工事をしてはいけないことになっています。

運悪く、工事中に雨が降ってきた場合は一から塗り直す必要がありますから、その日の降水確率を見て工事をするかしないか判断する業者が多いです。

塗装工事を依頼する際は、雨の日の作業についても打ち合わせをしてスケジュールを組むようにするといいですね。