塗装の基礎知識

塗装できない!?難付着性サイディングボード外壁とは?

難付着性サイディングボードの種類

難付着性サイディングボードとは、外壁に汚れが付かないよう、表面に特殊なコーティングを施している「汚れのつきにくいサイディング」のことです。

外壁塗装を検討されている人の中には、光触媒、無機塗料、フッ素コーティングなどという言葉を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。このようなコーティングをされた外壁材は、すべて難付着性サイディングボードと呼ばれています。きれいな状態が続く外壁は理想的ですが、いくら汚れがつきにくいと言っても効果が永遠に続くわけではありません。

塗装から10年以上を過ぎれば、再塗装しなければならない時期もやってきてしまいます。しかし、難付着性サイディングボードは塗装することができないという「落とし穴」があるのです。

 

光触媒塗料によるコーティング

光が当たることで化学反応を起こし、汚れが分解されます。親水性があり、分解された汚れが雨で洗い流されるためセルフクリーニング効果があると言われている塗料です。

 

無機塗料によるコーティング

鉱物やレンガ、炭素を含まない無機物を配合して作られた塗料です。雨や紫外線の影響を受けにくく、カビやコケが発生しにくいのが特徴です。光触媒塗料に同じく表面に汚れが付着しても、その汚れを浮かせて雨水で洗い流します。

 

フッ素塗料によるコーティング

密着性が高く紫外線や雨による影響を受けにくく、先に紹介した塗料と同じ効果があります。また、弾性のフッ素塗料は膨張と収縮を繰り返す外壁の変形に柔軟に対応することができるため、ひび割れが生じた場合でも塗膜が伸びて割れを塞いでくれます。

 

なぜ難付着性サイディングボードは塗装できないの?

これは単純に「汚れがつきにくい=塗料も密着しにくい」ということです。通常の外壁塗装では高圧洗浄後に下塗り、中塗り、上塗りという順番に行いますが、難付着性サイディングボードの場合は、下塗りの塗料を汚れと認識して弾いてしまったり、下塗り塗料を分解して付着力を弱めてしまったりするため、塗装をしてもすぐに剥がれてきてしまうのです。2001年以降に建てられた建物で、築10年以上経っていてもチョーキング現象(触ると手に白い粉がつく)が起こらない場合は難付着性サイディングボードが使われている可能性が高いです。外壁塗装をご検討中の方は、業者に依頼する際に、ご自宅の壁が難付着サイディングボードであるかどうか確認してもらうことをおすすめします。