塗装の基礎知識

スレート屋根の製造方法? -乾式製法

 

多くの住宅で使用されているスレート屋根は、10年程度で塗装のメンテナンスが必要になってきます。しかし、屋根の表面がボロボロと剥がれてきたという場合、その原因は経年劣化だけではなく、スレート屋根の製造時期や製造方法とも深く関係しているのです。

今回は、そんな屋根の製造方法について詳しくご説明したいと思います。まず、屋根材の製造方法ですが、大きく分けて『乾式製法』『湿式製法』の2種類あります。

今回は現在主流である乾式製法について詳しく見ていきたいと思います。

屋根の乾式製法とは?

乾式製法とは、成型時に最小限の水のみを使用し、高温・高気圧の窯で完全硬化させて製造する方法です。材料を乾いた状態で混合して硬化するので、層間剥離が起こりにくくなっているのが特徴です。

屋根材は、通常のセメントであれば完全に硬化するまで数年かかるとも言われており、水分を含むほど施工後も収縮が激しく品質が安定しないという問題がありましたが、この乾式製法の場合、割れにくく耐久性に優れた屋根材を製造することができるのです。また、製造段階で余計な水を含まないため軽いので、耐震性にも優れた屋根材になります。

2004年より前に製造されたスレート屋根には、材料に強度のあるアスベスト(石綿)が含まれていました。しかし、アスベストは人体に悪影響を及ぼす可能性があるため、現在は使用する事が法律で禁止されています。

当初こそ、さまざまな屋根材が販売されましたが、経年劣化や不具合がひどく、販売を中止したものがほとんどです。しかし、現在は製品開発が進み、材料もアスベストを使用していない(無石綿)セメントや繊維質原料、混和材料などを用いて作られており、以前より粘りや強度が増しています。スレート屋根材は耐久性が低いと言われていましたが、現在の屋根は割れにくく耐久性も高くなっており、15年~25年もの耐用年数があります。

ただし、あくまでも耐用年数ですので、屋根のメンテナンスは10年前後で行うことがおすすめです。耐久性が高くなっているとはいえ、経年劣化に伴うひび割れなどの不具合はどうしても起きてしまいますので、定期的なメンテナンスを行い、屋根を長く良い状態に保つようにできれば良いですね。

住宅の屋根の劣化が激しい場合は、屋根材が2008年より前に製造された可能性がありますので、気になる方は一度弊社へご連絡ください。