近年、外壁材として人気を集めている、「ガルバリウム鋼板」。
軽量で耐久性が高く、モダンなデザインを生み出すことができるこの素材ですが、実際に選ぶ際には、そのメリット・デメリットに関して少し迷うこともあるかもしれません。
特に「サビるのでは?」「凹みやすいのでは?」と心配する方も少なくないでしょう。今回は、ガルバリウム鋼板の特徴を深掘りし、長持ちさせるための方法についても考えていきます。
ガルバリウム鋼板とは?
まず、ガルバリウム鋼板とは、金属鋼板の表面にアルミニウム・亜鉛・シリコンでコーティングした金属素材です。
これにより、従来の鋼板よりも耐久性や防錆性が大幅に向上しているため、屋根材・外壁材として広く使用されています。
ガルバリウム鋼板の特徴として、耐用年数が長く、軽量で耐震性が高いことが挙げられます。
ガルバリウム鋼板が選ばれる理由
注目を集めるガルバリウム鋼板のメリットとは何なのでしょうか?選ばれる理由を見てみましょう。
耐用年数が長く、外壁の長持ちが嬉しい
周辺環境にもよりますが、ガルバリウム鋼板は、他の鋼板に比べて耐用年数が非常に長く、約20年〜40年と言われています。さらに、定期的なメンテナンスによっては、40年以上も長持ちする場合もあります。
住宅の外壁に使用する場合、メンテナンスの頻度が窯業系サイディングより低いことも魅力的で、長期間にわたりその美しい外観を保つことができます。長期的に見て、外壁を塗り替える回数が減るため、費用の節約にもつながります。
他金属より圧倒的にサビにくい
一番の特徴と言っても過言ではないのがその防錆性です。ガルバリウム鋼板は、アルミやトタン(亜鉛めっき鋼板)に比べてサビが圧倒的に発生しにくいのが特徴です。
湿気が多い地域や海沿いの住宅でも使用できますが、全くサビない素材ではないため、短い周期でのメンテナンスを考えましょう。
軽量で耐震性が高く、リフォームにも最適
ガルバリウム鋼板は非常に軽量で、他の外壁材に比べて圧倒的に軽く、家の構造に負担をかけません。このため、耐震性の向上にもつながります。特に、リフォームを検討している方にとっては、この軽さが大きな利点となります。既存の構造に負担をかけず、建物の耐久性を上げることができるのです。
シンプルでモダンな外観を演出
ガルバリウム鋼板は、その美しいシンプルなデザインが魅力です。モダンで洗練された外観を提供し、他の外壁材にはない独特の質感を出すことができます。新築やリフォームにおいて、シンプルでありながらも高級感を演出するために選ばれることが多いです。
ガルバリウム鋼板のデメリット
もちろん、ガルバリウム鋼板にもデメリットはあります。特に、次の点には注意が必要です。
ボール遊びで凹む可能性あり
ガルバリウム鋼板は薄い金属板のため、強い衝撃を受けると凹むことがあります。特に、お子さんがボール遊びをしている場合や、何か硬いもので打撃を加えられた場合、表面に凹みができることがあります。凹んだ部分を修理するのは難しいため、心配な場合は、厚みのある、凹みにくいデザインを選ぶことをオススメします。
デザインのバリエーションが少ない
ガルバリウム鋼板は、そのシンプルでモダンなデザインが特徴ですが、デザインのバリエーションが他の外壁材に比べて少ないというデメリットもあります。より多様なデザインを求める場合、他の素材を選ぶことも考慮する必要があるでしょう。
「断熱性」「遮音性」が低いって本当?
素材としてのガルバリウム鋼板は、断熱性や遮音性が比較的低いことは事実です。しかし近年では、大幅に改善された建材も販売されています。不安に感じる場合は、業者に確認しておくと安心です。
ガルバリウム鋼板を長持ちさせるためのメンテナンス
ガルバリウム鋼板は優れた耐久性を持っていますが、適切なメンテナンスが必要です。定期的にメンテナンスを行うことで、長期間にわたってその性能を維持することができます。
定期的な洗浄で汚れから守る
ガルバリウム鋼板は、汚れがたまると、そこからサビが発生することがあります。そのため、定期的に水洗いをしてあげると美観を保つことができます。ただし、強く擦ること、スチーム洗浄や高圧洗浄は避けてください。外壁表面を傷つける恐れがあるためです。汚れが落ちない場合は、専用洗剤か中性洗剤を使い、柔らかい布やスポンジで軽く擦る程度に留めましょう。
定期的な塗装メンテナンスが安心
塗装メンテナンスを定期的に行うことが、ガルバリウム鋼板を長持ちさせるための鍵となります。塗装を施すことで、素材表面を保護し、傷みを防ぎ、長期的に使用できるように保つことが可能です。メンテナンス周期は10〜15年を目安にしましょう。
劣化が進行していると…
もし、劣化が進行している場合、屋根の葺き替えや外壁の張り替えが必要になることがあります。
具体的に、サビが進行して穴が空いた・雨水が住宅内部まで入り込むなどの症状がある場合は、葺き替え、張り替えが必要になる可能性があります。
いかがでしたでしょうか?ガルバリウム鋼板は、その優れた耐久性と美しい外観が魅力の素材ですが、いくつかのデメリットも存在します。特に、サビにくいとはいえ完全に防げるわけではなく、衝撃で凹むこともあります。しかし、適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたってその性能を維持できるため、しっかりとした管理が大切です。
もしガルバリウム鋼板を選ぶ際には、これらのポイントをしっかり理解した上で選択し、長く安心して使えるようにしましょう!