塗装の基礎知識

外塗装壁の『艶』対決! ― 艶あり vs 艶消し、あなたの住まいに最適な選択はどれ?

 

家の外壁塗装を考えるとき、

「新築のようなピカピカ、ツヤツヤにしたい」

「光沢を控えめにした、落ち着いた雰囲気にしたい」

など、色だけでなく「艶(つや)」についても迷ってしまうのではないでしょうか?

艶の有無によって外観の印象はもちろん、汚れの付きやすさや耐用年数にも影響が出るので、決めかねてしまいますよね。そこで今回は、「艶あり」と「艶消し」の違いや、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます!あなたの住まいに最適な選択を考えていきましょう。

 

外壁塗装の「艶」とは?

 

外壁塗装の「艶」とは、光の反射率によって決まる表面の光沢感のことを指します。艶の度合いは一般的に5段階に分けられます。  

 

全5段階の艶の秘密を解説!ツヤツヤからマットまでの違い

 

艶あり(光沢度70%)

ツヤツヤな光沢感があり、塗った後は新築のようなピカピカな印象になる。

 

7分艶(光沢度60%前後)

艶ありより少し落ち着いた印象。天候によっては艶がないようにも見える。

 

5分艶(光沢度35%前後)

艶とマットの中間で、「半ツヤ」とも呼ばれる。適度な落ち着きと高級感がある。

 

3分艶(光沢度15%前後)

ほぼマットに近い。天気の良い日に、角度によっては艶を感じられる程度の光沢感。

 

艶消し(光沢度5%以下)

光をほとんど反射しない、マットな仕上がりになる。フラット仕上げとも呼ばれる。

 

艶の度合いによって、家の雰囲気は大きく変わります。新築のようなフレッシュな印象を求めるなら「艶あり」、シックで落ち着いた雰囲気を求めるなら「艶消し」が選ばれることが多いです。

 

耐用年数に直結!艶が変える外壁の実力

 

塗料の艶が耐用年数に関係していることはご存じでしょうか?ここでは艶と耐用年数の関係について見ていきます。

 

なぜ「艶あり」は汚れがつきにくいのか?

 

艶がある塗料は表面が滑らかなので、雨水が汚れを洗い流しやすくなります。特に防汚性能が求められる外壁には、艶あり塗料が向いています。また、塗膜が強くなる傾向があり、耐久性が高くなるのも特徴です。

 

艶消し剤の効果と、性能低下の関係

 

艶消し塗料は、塗料の光沢を抑えるために「艶消し剤」を加えて作られます。しかし、この艶消し剤は塗膜の耐久性を低下させることがあるため、一般的に「艶あり塗料よりも耐久性が劣る」と言われます。そのため、耐久性を重視した塗装を希望するなら、少しでも艶がある塗料を選んだほうがよいでしょう。

 

驚き!艶を抑えても長持ちする塗料

 

最近では、艶を抑えた塗料でも高耐久な塗料が登場しています。スタイリッシュでマットな仕上がりの外壁塗装を求められることが多くなってきているためです。「艶は抑えたいけれど、耐久性も重視したい」という方は、これらの高性能塗料を検討するのもおすすめです。

 

徹底比較:艶ありと艶消しのメリット&デメリット  

 

以下に、艶ありと艶なしのメリット・デメリットをまとめました。比べて見てみましょう。

 

艶ありのメリット

汚れがつきにくい

耐久性が高い

塗りたての光沢感が美しい

塗料のバリエーションが豊富

艶ありのデメリット

光沢感は経年で2~3年で消える

光の反射が強すぎると安っぽく見えることがある

光の加減で眩しく見えることがある

外壁によっては艶が悪目立ちする

 

艶消しのメリット

落ち着いた仕上がり

マットな高級感

経年による見た目や雰囲気が変わりづらい

光の反射が少なく視認性が良い

艶消しのデメリット

汚れがつきやすい

耐久性がやや劣る

塗料の選択肢が少ない

 

このように、それぞれにメリット・デメリットがあります。美観を重視するのか、耐久性を優先するのか、自分のライフスタイルや住宅環境に合わせて選ぶことが大切です。

 

施工現場での塗料調整はおすすめしません…

 

現場で職人さんに「艶の調整をお願いできますか?」と頼むのは、あまりおすすめできません。塗料メーカーが、管理された工場で適切に調整した塗料と違い、現場で艶消し剤を追加すると、塗膜の強度や耐久性に影響が出ることがあります。塗装後の仕上がりや性能を考えると、最初からメーカーが調整した塗料を選ぶのがベストです。

 

迷ったらカラーシミュレーションしてみよう!

 

「艶ありにするか、艶消しにするか…」と迷ったときは、カラーシミュレーションを活用するのがおすすめです。最近は、塗装業者が提供するシミュレーションツールを使えば、実際の家の写真に塗装後のイメージを重ねることができます。艶の違いでどのような印象になるかを事前に確認できるので、失敗を防ぐのに役立ちます。  

 

まとめ

 

艶あり塗料と艶消し塗料は、それぞれに特徴があります。

・「艶あり」は、光沢があり耐久性も高いが、反射が強く好みが分かれる。  

・「艶消し」は、落ち着いた印象を与えるが、汚れがつきやすく耐久性がやや低い。  

選ぶ際は、住宅のデザインや周囲の景観、メンテナンスのしやすさなどを考慮しましょう。迷ったら、専門業者に相談し、カラーシミュレーションを活用して納得のいく選択をすることをおすすめします。

あなたの住まいにぴったりの艶を見つけて、理想の外観を手に入れましょう!